「何よりタイミングを重視する」――重要な外交日程をこなしたこの一カ月で、“小泉流”はさらに浮き彫りとなった。そして足元の国内では重要法案が立て続けに成立し、刻一刻と参院選の“熱い夏”が近づいてきた。 ヤシの葉が大西洋の風にそよぐ風光明媚な米南部の島・シーアイランド。六月八日から主要国首脳会議(サミット)が開かれたこの全米有数のリゾート地で、小泉純一郎首相は異様とも言えるほど上機嫌だった。 首相のサミット出席は二〇〇一年のジェノバ(伊)、〇二年のカナナスキス(加)、〇三年のエビアン(仏)に続き今年で四回目。サミット三十年の歴史の中で、四回以上出席した日本の首相は中曽根康弘元首相(五回)と小泉氏しかいない。全体会議でも個別会談でも、首相は報道陣の前で各国首脳との親密な関係を積極的にアピールし、記念撮影では初めてセンターポジションを占めた。 瑣末な話のようだが、記念撮影での立ち位置は国際社会での各国首脳の立場を案外、雄弁に物語るものだ。思い出されるのは、同じく米国で開かれた一九八三年のウィリアムズバーグ・サミットの記念撮影で、レーガン米大統領とサッチャー英首相の間に割って入った中曽根氏の“活躍”だ。

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