イエメンで戦果を挙げたと主張するサウジだが、首都リヤードでは7月16日、政治犯刑務所付近の警察チエックポイントで自爆テロ。犯人が死亡、警官二人が負傷とのこと。犯人は10代で、「大佐」である叔父を殺害してから車を運転して自爆を行ったとされる。

Suicide bomber injures two in Saudi capital, al-Jazeera English, 17 July 2015. 

遡れば昨年11月4日の、シーア派のアーシューラーの祭事の期間に行われたサウジ東部州アハサー(ハサ)のダルワでの銃撃事件のあたりから、シーア派への攻撃によってサウジに宗派紛争を惹起させようとする「イスラーム国」型の工作のきな臭さが漂い始めた。それが今年に入って5月22日(カティーフ)29日(ダンマーム)と、金曜礼拝の日に相次いで東部州のシーア派のモスクを狙った自爆テロが続いて、本格化した。6月26日にはまたも金曜礼拝を狙って、今度は隣国クウェート市のシーア派モスクへのサウジ人による自爆テロが起こり、アラブ湾岸産油国(GCC)への広がりも危惧される。もし今回の件が、それらの一連の攻撃の続きで、それが首都リヤードの治安施設に及んだというのであれば、基本は締め付けが効いていると思われるサウジについても、治安の悪化への懸念が募る。「イスラーム国」によるグローバル・ジハードのイデオロギーの感染拡大をどう防ぐか。

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