米・オバマ大統領は、CBSテレビの番組「60ミニッツ」への録画インタビューを行い、シリア問題について触れた。10月11日(日)に放映の予定だが一部がインターネットで公開されている。

Putin’s move in Syria a sign of weakness: Obama, CBS News, October 9, 2015.

抜粋部分では、ロシアのプーチン大統領の隠密裏に準備したシリア介入で「出し抜かれた」という批判に対して、プーチンのシリア介入はロシアの強さではなく、弱さを示すものだ、と反論している。

President Vladimir Putin's military mission in Syria is a sign of Russia's weakness, not a show of its leadership, says President Obama. 

この欄でも以前に簡単に記したが、米国や英国など欧米圏の主導的な議論の場では、シリア問題をめぐって概略三つの立場があると筆者は見ている。

(1)ロシアの中東での軍事的台頭を危惧し、米国の軍事的対峙・中東への積極介入を主張する、保守派や、選挙運動中のヒラリー・クリントンなど民主党のリベラル・タカ派。オバマ政権の「弱腰」を批判する。これを「新冷戦」的思考と呼んでもいいかもしれない。実際に旧冷戦を体験した論客たちが続々と、「昔取った杵柄」のごとく議論に参入している。

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