ジュネーブで1月31日にシリア和平会議が開催に漕ぎ着けそうな雲行きだが、アサド大統領の地位、反体制派のうち交渉に参加を許される(そもそも参加の意思がある)勢力はどれか、どの勢力の誰が反体制派を代表するかで、立場が様々であり、交渉は難航が予想される。

ロシアとイランがアサド政権の存続、アサド大統領の続投を支持していることが、アサド政権の強硬姿勢を支える一つの根拠となってきた。ロシアがその姿勢を変更して、アサド退陣を是認するのではないか、という噂は何度も立っては消えた。

そういった多くの噂の一つに過ぎない、と切り捨てることもできるのだが、興味深い説が年初から浮遊している。「話半分」に受け止めるという前提で、取り上げてみよう。

第一に、年初にこのような報道があった。

"Russian GRU military spy chief Igor Sergun dies," BBC, 5 January 2016.

2011年以来、ロシアの軍諜報機関GRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)を統括してきたイゴール・セルグン総局長が急死したという。第一報は1月4日にクレムリンのホームページに掲載されたという。プーチン大統領も弔意を示しているが、死因が明らかになっていないことから憶測が広がった。

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