3月15日にフロリダ、オハイオ、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナの5州で予備選挙が行われた。

 民主党では、組織力でバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)を圧倒するヒラリー・クリントン前国務長官が、3月8日に行われた中西部の主要工業州であるミシガン州予備選挙で、事前の各種世論調査では圧倒的にリードしていたにもかかわらず、結果はまさかの「番狂わせ」となる敗北を喫したため、同州と酷似した地域性や有権者層を持つオハイオ州予備選挙の結果が注目されていた。だが、そうした懸念を跳ね返し、クリントン氏はオハイオ州予備選挙において13.8ポイント差で圧勝するとともに、大票田であるフロリダ州でも得票率でサンダース氏の約2倍を獲得するなど5戦全勝とし、候補指名獲得に大きく前進する結果となった。クリントン氏は大統領、副大統領経験者や上院議員、下院議員、州知事や民主党全国委員会(DNC)幹部ら715人で構成される「特別代議員」の獲得数でも既に467名に達しており、サンダース氏の26人を圧倒。もはや、指名獲得は確実な情勢である。

 一方の共和党では、「フロントランナー(最有力候補)」である実業家兼テレビパーソナリティのドナルド・トランプ氏が「ミニ・スーパーチューズデー」で大票田のフロリダ、イリノイ、ノースカロライナ3州の予備選挙で勝利し(ミズーリ州は接戦だったため未確定)、指名獲得に向けて前進している。だが、トランプ氏がオハイオ州で勝利できなかったため、指名獲得争いの決着が共和党全国党大会に持ち込まれる可能性が浮上してきている。

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