トランプ氏に逆風「共和党候補決定」は7月の「全国党大会」か

執筆者:足立正彦 2016年3月22日
エリア: 北米

 3月15日にフロリダ、オハイオ、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナの5州で予備選挙が行われた。

 民主党では、組織力でバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)を圧倒するヒラリー・クリントン前国務長官が、3月8日に行われた中西部の主要工業州であるミシガン州予備選挙で、事前の各種世論調査では圧倒的にリードしていたにもかかわらず、結果はまさかの「番狂わせ」となる敗北を喫したため、同州と酷似した地域性や有権者層を持つオハイオ州予備選挙の結果が注目されていた。だが、そうした懸念を跳ね返し、クリントン氏はオハイオ州予備選挙において13.8ポイント差で圧勝するとともに、大票田であるフロリダ州でも得票率でサンダース氏の約2倍を獲得するなど5戦全勝とし、候補指名獲得に大きく前進する結果となった。クリントン氏は大統領、副大統領経験者や上院議員、下院議員、州知事や民主党全国委員会(DNC)幹部ら715人で構成される「特別代議員」の獲得数でも既に467名に達しており、サンダース氏の26人を圧倒。もはや、指名獲得は確実な情勢である。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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