太陽光発電など「再可能エネルギー施設」に投資するファンド市場も創設された(C)時事

 

 低金利時代が続いている。

 深刻な低金利時代の突入の契機は、2016年1月に黒田東彦・日本銀行総裁によって導入された「マイナス金利」。安倍晋三首相が「アベノミクス第2ステージ実現のための新たな金融政策」とも位置付けたこの施策で為替は当初、円安に大きく振れた。

 折しも、いま就任早々のトランプ米大統領は「日本の通貨政策(円安誘導)はおかしい」と批判している。「この間の金融政策を問題視している」とする見方が色濃い。

 このマイナス金利の荒波に晒されている金融業界で、とりわけ長期国債の利配収入を資産運用の要とする生命保険(以下、生保)業界の困惑ぶりは、2017年3月期第1四半期決算の苦境に象徴的に見て取ることができる。大手4社の基礎利益(一般企業の営業利益相当)が揃って前年同期を下回ったのだ。減益率はガリバー・日本生命こそ三井生命を傘下に収めた効果でマイナス1.5%だったが、第一生命は同63%、明治安田生命も同25%、そして住友生命は同50%という惨状だった。主たる要因は、運用資産の避難先としていた外国債券(4社平均で運用資産の約2割)の円高に伴う評価損の発生である。一昨年6月末に比べ、円は対米ドルで15%近い円高水準になっていた。

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