1月28日、大統領覚書「イラクとシリアの『イスラム国』打倒計画」に署名するトランプ大統領 (c)AFP=時事

 トランプ氏が大統領に就任してから1カ月弱。1月27日には、特定7カ国国民の入国を制限する大統領命令(Executive order)に署名したが、このことは米国内外で大きな波紋を巻き起こし、日本のメディアも連日のように取り上げていた。しかし、筆者には「木を見て森を見ず」の議論になっているように思える。入国制限やメキシコ国境の「壁」の建設だけが、トランプ大統領の外交政策ではないからだ。

 では、トランプ外交が解決しようとする最重要課題とは何なのか。実は、外交・安保に関する2つの文書が署名されている。ひとつは同日27日に署名された「アメリカ第1の外交政策(America First Foreign policy)」であり、もうひとつは翌日28日に署名された大統領覚書(Presidential Memorandum)の「イラクとシリアの『イスラム国』打倒計画(Plan to Defeat the Islamic State of Iraq and Syria)」である(いずれもホワイトハウスのホームページで閲覧可能)。

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