左から文在寅大統領、李洛淵首相候補、徐薫国家情報院長候補、任鍾晳大統領秘書室長。(c)EPA=時事

 

 選挙は順調に勝利した文在寅(ムン・ジェイン)政権だが、前途は厳しい。政権与党「共に民主党」の議席数は300議席中120議席で、過半数にも届かない。しかも、韓国では2012年5月の国会法改正で、通称「国会先進化法」ができた。この法律では、与野党間で対立している法案を本会議に上程する場合、在籍議員の60%の賛成を必要とする。文在寅政権が法案や人事を円滑に処理するには、180議席が必要になるということだ。

 5月24日現在の各党の議席数は、「共に民主党」120議席、「自由韓国党」107議席、「国民の党」40議席、「正しい政党」20議席、「正義党」6議席、無所属など6議席、欠員1議席という状況だ。

少数与党がゆえの「協治」と「連合」

 新しく指名する首相にも、国会の同意が必要だ。韓国憲法は、閣僚は「首相の提請により、大統領が任命する」としており、首相の国会同意が得られなければ内閣は組閣すらできない。

 こういう状況下でしきりに使われているのが、「協治」という言葉だ。これは「協力の政治」がなければ、文在寅政権は身動きが取れないということを意味する。

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