韓国「文在寅政権」誕生(2)「知日派」だが手強い首相と「対北」シフト人事

執筆者:平井久志 2017年5月29日
エリア: アジア
左から文在寅大統領、李洛淵首相候補、徐薫国家情報院長候補、任鍾晳大統領秘書室長。(c)EPA=時事

 

 選挙は順調に勝利した文在寅(ムン・ジェイン)政権だが、前途は厳しい。政権与党「共に民主党」の議席数は300議席中120議席で、過半数にも届かない。しかも、韓国では2012年5月の国会法改正で、通称「国会先進化法」ができた。この法律では、与野党間で対立している法案を本会議に上程する場合、在籍議員の60%の賛成を必要とする。文在寅政権が法案や人事を円滑に処理するには、180議席が必要になるということだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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