アメリカの公立高校で見た「移民」教育システム

執筆者:医療ガバナンス学会2017年10月6日
ケンブリッジ唯一の公立高校(筆者撮影、以下同)

 

【筆者:医療ガバナンス研究所研究員・樋口朝霞】

「マイノリティは生きるために競争し、それが社会に活気を与えている」

 私が、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市で1カ月を過ごした感想です。ケンブリッジはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学があるアカデミックな街です。橋を挟んで隣がボストン。この地域には、世界中から「エリート」が集まってきます。

「アメリカは自由で開かれた社会に見えるかもしれないけれど、外からやってきて生活するには厳しいところなの。強くなくては生き残れない」

 私を受け入れてくれた大西睦子医師(フォーサイト常連筆者。バックナンバーやプロフィールはこちら)は言います。

 大西医師は内科医です。10年前に研究者としてハーバード大学に留学し、ケンブリッジに定住しました。現在に至るまで、多くの困難を乗り越えてきました。研究室の上司が突然大学を去ってしまい、自分の研究を続けられなくなってしまう事態に直面したことも。やむなく研究テーマを変え、別の研究室に移籍することで、何とかこの地で研究を続けてきたそうです。

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