南アフリカ議会で演説するラマポーザ新大統領。思った以上に早い就任だった (C)EPA=時事

 

 南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領(75)が2月14日、大統領職を辞任し、昨年12月の与党「アフリカ民族会議(ANC)」党大会で新総裁に選出されたシリル・ラマポーザ副大統領(65)が新大統領に就任した。南アの政治情勢については、これまでにも「アフリカの部屋」で折に触れて執筆しており、これまでの経緯については、昨年12月22日の「南アフリカ与党『ラマポーザ総裁』選出で再び目指す『虹の国』」を参照していただきたい。

 ズマ氏の大統領としての任期は、法的には2019年4月に予定されている総選挙の後まで保証されていた。だが、筆者は昨年12月の拙稿で「ラマポーザ氏が2018年のどこかの段階で大統領に就任し、改革に取り組む姿勢を有権者にアピールしたうえで総選挙に臨む可能性が高い」と記し、ズマ氏の総選挙前の辞任を予測した。

 予測が当たり、今後の見通しを読者に示した者として安堵の気持ちもあるが、正直なところでは、ズマ氏の辞任とラマポーザ氏の大統領就任は、もう少し先のことではないかと考えていた。日本政府関係者によると、日本外務省も「大統領の交代は2018年3月から7月ごろ」との見通しを持ち、ラマポーザ氏の大統領就任前の日本招聘も視野に、水面下で動き始めていたという。ラマポーザ氏がズマ氏に辞任を無理強いすれば、党の分裂リスクが高まるので、時間をかけて辞任を促していくとの見方が多かったのである。

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