ポピュリズム連合を動かすディ・マイオ氏(左)とサルヴィーニ氏(C)AFP=時事

 

 5月27日から31日にかけての5日間、イタリアを舞台に繰り広げられた権力を巡る「攻防劇」。5人の役者が登場したが、結局のところ主役は「サルヴィーニ」と「マーケット」だった。

 マーケットに対峙するポピュリスト連合。「大衆が動かす経済」と「大衆に迎合する政治」の対決。大衆が政治と経済を動かす21世紀ならではの対立構図だ。

大統領が閣僚人事案を拒否

 最初に登場した役者はセルジョ・マッタレッラ大統領。これまで折あるごとに、必要とあらば下野も辞さない強硬姿勢で自らの主張を押し通してきた「反骨の士」だ。

 27日、連立政権を組む「五つ星運動」と「同盟」のポピュリスト両党の推薦で首相に指名されたジュゼッペ・コンテ氏が、政権の要である経済・財務相に経済学者のパオロ・サボナ氏を推す閣僚人事案を、大統領に提示した。しかし、同氏はユーロ離脱を公言する人物。

 大統領は、イタリアの将来を左右しかねないこの展開を止めることができるのは自分しかいない、と人事案を拒否すると決断した。これを受けてコンテ氏は指名を辞退した。

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