米国はイランからイラクへの天然ガス等のエネルギー輸出を、引き続き認める見通しだ。2月10日にイラク政府高官が報道機関に語った

米国が2018年以来、イランに課している最強度の経済制裁の肝心のところは、イランに石油を売らせないこと、イランから石油を買った企業を米国との取引や金融システムから締め出すことである。

ここから例外的に、米国はイラクには、イランから石油・天然ガス・電力等のエネルギーの輸入を認める適用除外(waiver)を期限つきで与えてきた。極度の厳しさで、日本や韓国などイラン石油への依存の大きい国々からも適用除外を徐々に奪っていた米国だが、イラクのみが石油・ガス・電力の輸入を許され、いわば制裁の「合法的な抜け穴」になっていた。イラクはイラクの銀行の口座に石油・ガス・電力の代金としてイラクディナールを入金し、そこからイランは人道目的の物資を購入できるという特別目的事業体(special purpose vehicle)を間に挟むことで、この「抜け穴」が制度化され米国から容認されてきた。

昨年10月5回目の適用除外の120日の期限が近く切れるが、今回も米国は延長を認めるようだ。

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