【資料独自入手】北朝鮮「党第1書記」新設の意味と「赤化統一路線」放棄の理由
2021年6月7日
朝鮮労働党は今年1月に第8回党大会を開催し、党規約の改正を行い、金正恩(キム・ジョンウン)氏を党総書記に選出した。
金正恩氏はそれまで党委員長の職責にあったが、党総書記の座に就いたのは、党規約を改正して党の最高領導者を党委員長から党総書記に変更したからだ。しかし、1月の党大会では、党規約改正の詳細な内容は公表されなかった。約5カ月が経過し、韓国政府当局が改正された党規約を入手。それが韓国のメディアに流れた。
北朝鮮は党が主導する国家であり、ある意味では、北朝鮮のイデオロギーや権力構造、統一政策などを規定する朝鮮労働党の規約は、国家の規範である憲法よりも重い意味を持つ。ようやく明らかになった党規約の改正内容を通じて、金正恩政権のあり方や今後の志向などを検証する。
『ハンギョレ』が特ダネ、『聯合ニュース』が後追いで別の特ダネ
今回の党規約改正の中身が最初に明らかになったのは、韓国の進歩系メディア『ハンギョレ新聞』6月1日付の報道であった。同紙は、朝鮮労働党が党大会の規約改正で、序文中の「朝鮮労働党の当面の目標」にあった「全国的な範囲で民族解放民主主義革命の偉業を達成」という部分を削除し、「全国的な範囲で社会の自主的かつ民主的な発展の実現」と改正した、と報じた。これはつまり、北朝鮮主導の革命統一論を削除、修正したものだと解説した。
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