中国共産党100周年を受けて香港市内に掲げられた中国国旗と香港特別行政区の旗(C)時事

 

 中国政府が「香港国家安全維持法(国安法)」を制定して1年あまり、民主派に対する攻撃はどこまで拡大するのか予想がつかない。9月19日に行われた選挙委員会選挙では、民主派からの当選がゼロとなった。

 しかし、これほどの弾圧と排除の一方で、北京寄りの香港政界人は民主派に対し、選挙に出馬するよう脅しに近い言葉も使って促している。

 一体北京は香港の民主派をどうしたいのだろうか。

「選挙委員会」も立法会も民主派はゼロに

 選挙委員会は、香港政府の長である行政長官の選出に加え、香港の議会である立法会の90議席中40議席を選出するという、大きな権限を与えられている。その意味では、選挙委員会選挙は香港で最も重要な選挙と言っても過言ではない。

 しかし、今回の選挙委員会選挙は盛り上がりを全く欠いた。

 前回2016年の選挙委員会選挙では、民主派325人が当選していた。職業別に委員定数が割り当てられる選挙制度で、民主派には不利な仕組みであったが、民主派は法律界・教育界などのリベラルな傾向の強い枠で圧倒的な支持を集めた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。