米ドルでの価格が表示されているベネズエラの首都カラカスの商店(C)AFP=時事

 

 戦禍や自然災害に見舞われたわけではないにもかかわらず、わずか5年で国内総生産(GDP)が4分の1にまで縮小した国がある。世界最大の石油埋蔵量を誇る南米のベネズエラだ。 

 5年におよぶハイパーインフレに苦しめられ、食料や医薬品の欠乏がもっと厳しかった2017~2019年には乳幼児を中心に命を落とす者が続出し、500万人以上が国を脱出した。そのベネズエラ経済がついに底を打ち、プラス成長に転じた。 

ついに底を打ったベネズエラ経済 

 

 7年連続のマイナス成長(2016~2020年はマイナス幅が10~30%台)という未曾有の下降旋回を続けてきたベネズエラ経済だが、2021年から今年にかけてようやくブレーキがかかり上向き始めたようだ。 

 ちなみに、経済破綻が深まるなかベネズエラ政府や中央銀行が経済指標を発表しなくなったため、経済状況を把握するには単発的に発表される公的統計と国際機関や国内外シンクタンクの推計値などを照らし合わせざるを得ない。 

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