11月25日、新疆ウイグル自治区・ウルムチ市のものとされる、ゼロコロナ抗議活動の様子(中国のSNS「微博」より)

 3年近く続いた中国の「ゼロコロナ」政策がようやく終わった。この間、新疆ウイグル自治区での少数民族への管理や弾圧が、防疫対策を名目としてさらに厳しくなった恐れがある。しかし情報統制も強まり、同自治区の状況はいっそう見えにくくなった。

異常に増えた「ジェナーザ」

 中国当局の厳しい情報統制のため、在日ウイグル人であっても新疆ウイグル自治区の状況に関する情報は限られている。しかし彼らが今秋、郷里に残した家族らの安全や健康を案じたのには理由がある。郷里の家族らの死去に伴い、日本で葬儀を行う在日ウイグル人が急増したためだ。

 在日ウイグル人らがつくるSNSグループが葬儀の話題ばかりになっていると聴き、11月下旬の金曜日に、東京都渋谷区にある日本最大のモスク「東京ジャーミイ」を訪れた。この日も、トルコやインドネシア、パキスタンなど様々な国籍の1000人近いイスラム教徒が集まって金曜礼拝が行われたのに続き、新疆ウイグル自治区で亡くなったウイグル人男性の「ジェナーザ」(アラビア語で葬儀)があった。数分間の短い儀式は、「死者の生前の罪や過ちが許されるよう願い、来世に天国に行けるよう祈る」(同モスク広報担当の下山茂さん)というものだ。イマーム(イスラム教の指導者)の言葉に合わせ、居あわせたイスラム教徒らが祈りをささげた。

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