「上海ショック」で崩壊した中国「ゼロコロナ神話」――名をあげた老臣と躓いた政界の寵児

執筆者:竹内健二 2022年4月25日
エリア: アジア
上海のスーパーに殺到する市民(C)時事
 
上海のロックダウンに市民の不満が爆発し、「ゼロコロナ政策」が裏目に出た習近平指導部は態度変更を迫られている。次期首相と目された李強・市共産党委員会書記の昇格にも暗雲が……。

 中国・上海のロックダウン(都市封鎖)が中国を揺るがしている。誇張ではない。上海は中国のサプライチェーン(供給網)の中核であり、いわゆる「世界の工場」を支える心臓のような存在だからだ。市民への外出制限は3週間以上になり、あちこちで不満が爆発。隔離者の自殺などの悲劇も起きている。習近平指導部の徹底した「ゼロコロナ」政策が裏目に出て、負の側面が一気に吹き出した格好だ。過去2年の成功体験に縛られる当局に対する市民の視線は日に日に厳しくなっている。それは習指導部に態度変更を迫るほどの圧力を持ち始めた。

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執筆者プロフィール
竹内健二(たけうちけんじ) 共同通信社 中国総局特派員。1977年長野市生まれ。東京大学大学院綜合文化研究科(地域文化研究専攻)修了。2003年共同通信社入社。地方勤務を経て11年に経済部。19年から特派員として北京に赴任し、中国経済を担当。一般社団法人中国研究所『中国研究月報』編集委員。
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