北京レポート:中国・習近平指導部「ゼロコロナからの逃走」が招いた混乱

執筆者:竹内健二 2023年1月17日
エリア: アジア
春節(旧正月)を控え帰省する人々で混み合う中国の北京駅(C)時事
水際対策に反発して日本人へのビザ発給を停止した中国だが、北京では感染者・死者が急増し、筆者が訪ねた福建省泉州では「多くの人が怖がって外出していない」との声も。春節の感染爆発が懸念される現地の混乱をレポートする。

 

「もう陽性になった?」。中国が突然「ゼロコロナ政策」をやめたことで新型コロナの感染者が急増した北京や上海で交わされる冗談まじりのあいさつだ。

 昨年12月初旬までは、会社のビルや飲食店に入るのにも地下鉄に乗るのにも「健康宝」(健康コード)というスマートフォンアプリでQRコードをスキャンし、48時間以内のPCR検査の陰性証明を示すことが求められ、不便きわまりない生活が続いてきた。それらが一切、必要なくなったことで、めまいがするほどの解放感と同時に、コロナ感染の恐怖が襲ってきた。コロナ関連の死者も増えたのか、火葬場に車両が行列をなす有り様だ。

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執筆者プロフィール
竹内健二(たけうちけんじ) 共同通信社 中国総局特派員。1977年長野市生まれ。東京大学大学院綜合文化研究科(地域文化研究専攻)修了。2003年共同通信社入社。地方勤務を経て11年に経済部。19年から特派員として北京に赴任し、中国経済を担当。一般社団法人中国研究所『中国研究月報』編集委員。
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