より扇動的な「トランプ劇場」はさらに続いていく(C)AFP=時事
 

 ドナルド・トランプ前大統領が出馬宣言をした昨年11月から既に半年近くたった。最近の共和党支持者の支持率も盤石で、ここまでのホワイトハウス奪還のシナリオはトランプが思い描いていた通りのようにも見える。だが、そこに死角はないのか。トランプの狙いと今後の選挙戦を展望する。

史上最速レベルの出馬宣言

 トランプには類まれな才能がある。

 それは、どう行動すれば自分の支持者が反応するか、誰よりも分かっていることである。過去2回の大統領選挙での各種データを参照しているかもしれないが、トランプが優れているのは、何といってもテレビタレントとして研ぎ澄まされた世論に対する皮膚感覚だ。

「皮膚感覚」と書いたが、実はそこにはかなりの合理性がある。

 今回の再選のためのトランプのシナリオを見るとその合理性が見えてくる。

 トランプの再選シナリオとは「徹底的に早く動き続ける」ことに尽きる。

 最初に動くことで、常に注目される。そして、注目を集めれば支持率アップにつながる。

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