西側と中ロの対立が深まる中、第3極となる国々との連携は広島サミットにおける重大なテーマだった 会談前に言葉を交わすインドのナレンドラ・モディ首相(左)と岸田文雄首相 5月20日(C)時事

 

 5月19~21日、主要先進7カ国首脳会議(G7サミット)が広島で開催された。ロシア・ウクライナ戦争が長期化し、先行きが混迷を深める中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が広島を電撃訪問したことから、ウクライナ情勢が最大の関心事となり、世界的にも大きな注目を集めるサミットとなった。また、被爆地広島での開催ということもあって核軍縮が最重要議題として取り上げられ、首脳間の議論の中心となった。

 しかし、G7サミットが取り上げるべき世界規模の課題としては、ウクライナ危機後に一気に不安定化した国際エネルギー情勢を踏まえたエネルギー安全保障問題や、気候変動対策と脱炭素化への取組み強化も、今回の主要テーマであった。以下では、G7広島サミットを振り返り、その中で、特に重要と思われるエネルギー・気候変動分野における成果・合意について、筆者としての整理を行ってみたい。

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