ウェルチは研修プログラムの開発に関与しただけでなく、月に1度は自ら講師となって教壇に立った[2005年11月4日、ドイツ・フランクフルトで開催された「ワールド・ビジネス・フォーラム」に出席したウェルチ](C)AFP=時事

「The lights are back on at General Electric(ゼネラル・エレクトリックに明かりが戻った)」

 7月25日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が発表した2023年第2四半期(4〜6月期)決算。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で大打撃を受けた世界の航空市場が立ち直り、ジェットエンジンなど同社が製造する航空機部品の需要が急回復したことに加え、風力発電用タービンの売り上げ改善なども奏功した結果、投資家が注目する同期のフリーキャッシュフローは4億1500万ドルと前年同期実績(1億9200万ドル)に比べ2倍強に膨らんだ。冒頭の一文は同日付米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版の記事の最初のパラグラフである。

 株価も回復基調。7月10日には一時110.73ドルと5年半ぶりの高値水準をつけた。8代目最高経営責任者(CEO)兼会長で“中興の祖”とされるジャック・ウェルチ(1935〜2020年)がトップに君臨した2000年4月に6820億ドル(約97.5兆円)だったGEの株式時価総額は、電力事業の巨額損失にコロナ禍の航空市場の壊滅的打撃が重なった2020年5月に480億ドル(約6.9兆円)にまで落ち込んだが、足元(2023年8月17日現在)では1240億ドル(約17.7兆円)に戻ってきている。GEの現在の11代目CEO兼会長、ローレンス・カルプ(60)は決算発表後の投資家への説明会で「2023年の収益は上半期だけで2022年通期を上回っている」と予想を上回る業績回復ぶりを強調した。

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