クリミア、ヤルタの堤防沿いを歩く人々[2023年8月18日](C)REUTERS/Alexey Pavlishak

[クリミア半島ヤルタ発/ロイター]以前なら、シベリアに暮らすヴィクトル・モトリンがクリミアの別荘でくつろぐには、わずか4時間飛行機に乗ればよかった。今はいったんモスクワに飛んで、そこから1日半電車に揺られなければならない。

 2014年、ロシアはクリミアをウクライナから奪って併合したにもかかわらず、開戦から18カ月を経たロシア・ウクライナ戦争は、ロシア人が大好きな黒海の夏のリゾートであるクリミアへのアクセスをかえって難しくしている(もちろん、世界の大半の国はロシアによるクリミア併合を認めておらず、ウクライナはクリミア奪還を誓っている)。

 問題のひとつは安全性だ。とりわけ昨年10月と今年7月、ロシアとクリミア半島を道路と鉄道で結ぶ長さ19キロのクリミア大橋がウクライナ軍の攻撃を受けてからは。

 だが、シベリア西部のハンティ・マンシースクに住むモトリンは、多少の危険を冒しても毎年恒例の夏の旅行をすることに決めた。「同僚が6月と7月初めに来ていましたから、大丈夫だろうと思ったんです。情勢は落ち着いているし、クリミア大橋も問題ないという話だったので。店の品揃えも、価格も、すべて以前と同じですよ」。

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