藤森義明「LIXILの蹉跌」から汲むべき経営人材育成の虚実
2023年10月2日
発電機や航空機などあらゆる機器から稼働時の情報を集め、それらのビッグデータをリアルタイムで監視・分析すれば、故障の予兆を事前に察知でき、やがては定期的な点検やメンテナンス(維持・管理)業務さえも不要になる――。
あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の波及を見据え、世界を劇的に変えるであろう「第4次産業革命」が盛んに叫ばれたのは約10年前。その熱量は、ChatGPTをはじめ生成AI(人工知能)が世の中を一変させると騒いでいる昨今の現象によく似ている。当時その第4次産業革命の先端を行く企業として、上記のようなビッグデータとIoTの活用を唱えて世界の経済メディアで脚光を浴びていたのが米ゼネラル・エレクトリック(GE)だった。
イメルトが進めた「プレディクス」の大失敗
2011年、第9代最高経営責任者(CEO)のジェフリー・イメルト(67)は「GEはソフトウェア/アナリティクス企業になる必要がある」と宣言。翌2012年には今後3年間に10億ドル(現在の為替レートで約1480億円)を「インダストリアル・インターネット」(IoTを駆使して生産性を引き上げる戦略を意味するGEの造語)に投じる方針を明らかにした。
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