国内ユダヤ系の反発はかつてないほど高まっている[MIT(マサチューセッツ工科大学)で開かれたパレスチナ支援の集会で、「自由なパレスチナのためのユダヤ人」の看板を掲げる抗議者=2023年10月19日、アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ](C)AFP=時事

 イスラエルとハマスの紛争が激化する中、かつてはイスラエル支持で一枚岩だったアメリカの世論が今回は大きく揺らいでいる。アメリカのイスラエル観そのものに大きな変化の兆しがあるようにもみえる。3つの変化を論じる。

イスラエル支援に慎重な若者と非白人:支持はテロ直後から更に低下

 まず、第1の変化は、イスラエル支援に否定的な声が若者と非白人の層で増えていることだ。

 ハマスの大規模なテロ直後の10月12~13日にCNNが行った調査によると、「ハマスの攻撃に対するイスラエル政府の軍事的対応は妥当(正当化できる)」とした回答は全体で7割(全く妥当50%、ある程度妥当が20%)だった。しかし、年齢別にみると「妥当」としたのは年齢が低ければ低いほど少ないことが分かる。18~34歳が57%、35~49歳が63%、50~64歳が75%、65歳以上が93%だった。また人種別にみると「妥当」としたのは白人78%に対し、有色人種が58%と大きな差が出た。

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