日本と理念を共有する有力国はどこか

執筆者:篠田英朗2023年12月20日
ケニア・ナイロビで開催されたIAPTC(International Association of Peacekeeping Training Centres)年次会合に出席。防衛大臣臨席で、ルト大統領のメッセージが流された(筆者提供)

 岸田文雄首相は、G7広島サミットの準備の意味もこめて、4月末からのGW期間に、アフリカ4カ国を歴訪した。インド洋に面するケニアとモザンビークを訪問した際には、それぞれの国と共同で発表した声明において、日本がアフリカ諸国とともに「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を推進することが、謳われた。

 しかし、そのわずか約2週間後、実際にG7広島サミットが開催されたときに発出された「G7首脳コミュニケ」では、アフリカは忘れ去られた。「G7首脳コミュニケ」では、「FOIP」の重要性が強調され、「FOIP」の説明に一項目分のスペースがあてられた。それにもかかわらず、そこで具体的に言及されたG7諸国の「パートナー」は、「東南アジア諸国連合(ASEAN)及びその加盟国を含む地域のパートナー」と「太平洋島嶼国」だけであった。

 果たしてアフリカ諸国は、日本が構想する「FOIP」のパートナーなのか、否か。

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