会見では日本への天然ガス輸出にも言及した(C)EPA=時事

 2024年3月のロシア大統領選出馬を表明したウラジーミル・プーチン大統領は12月14日、国民対話と内外記者会見に臨み、4時間以上にわたって67の質問に答えた。選挙戦略や5期目の抱負は明かさず、やや低調な内容だったが、ウクライナの戦況や経済情勢に楽観的な見解を示し、長期政権への意欲が満々であることを示した。

 2000年の就任当初、リベラル色を残していたプーチン政権は、再選を経るごとに愛国主義と保守主義を強め、4期目はウクライナ侵攻など国粋主義に突入した。発言を見る限り、5期目は愛国教育、中絶規制など、保守色を一段と強めそうだ。

オデッサ攻撃も視野

 プーチン氏は、ロシア・ウクライナ戦争はいつ終わるのかとの質問に対し、「ロシアが目標を達成した時に平和が訪れる」と述べ、ウクライナの中立・非ナチ化・非武装を目指す目的が不変であることを強調した。最近は「この戦争はウクライナの背後に控える欧米との戦いだ」などと欧米との長期戦を主張していたが、開戦時の戦争目的が変わっていないことを示した。

 ロシアが苦戦の時は、「欧米との戦争」にすり替えたり、交渉の可能性に言及したこともあるが、戦況好転や欧米の支援疲れの中で、開戦当初の強気が戻ってきたかにみえる。選挙後も戦争を継続し、新たな攻勢に出る構えを示した。

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