どこかよそよそしくも見えた森氏への態度は、岸田首相が安倍派との縁を“カット”する予兆だったのか[石川県アンテナショップの開店記念式典でテープカットする同県の馳浩知事(中央)、岸田文雄首相(右)、森喜朗元首相(左)=3月9日午前、東京都中央区](C)時事

 前回の拙稿『岸田総理「安倍派切り」の大チャンスは「森に嫌われた男」下村博文の爆弾発言?』(3月14日)で筆者は、政治倫理審査会(政倫審)などで揺さぶられる安倍派の混乱は支持率低迷に苦しむ岸田文雄総理にとって逆転のチャンスになり得る、森喜朗元総理と顔を合わせたイベントでの岸田の素っ気ない態度が今後の対応を暗示しているのではないか、と提起した。あれから1週間あまりが経過したが、事態は確実に、筆者が予想する最終局面へ向かっていると感じている。

 注目された下村博文元文部科学大臣の政倫審での弁明は3月18日に行われたが、結果から言えば「不発」に終わった。安倍派に影響力を持つ森元総理から徹底的に排除され恨みを持つ下村は、森の裏金への関与について「爆弾発言」するのではという見方もあった。

 立憲民主・寺田学議員「森(元)会長は、安倍さんが亡くなられた後、派閥運営に対して大きな影響力を持っていたのではないか」

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