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【前回まで】都倉防衛大臣は安全保障の費用負担を訴えるタウンミーティングに出席した。「本土にミサイルを撃ち込まれたら報復するか」と問われた都倉は、意を決して答えた。

 

Episode6 一世一代

 

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「はっきりと申し上げます。もちろん、反撃すると」

 間近で、都倉大臣の発言を聞いたのに、磯部はすぐにそれを飲み込めなかった。

 聞き間違いに違いない――。

 理性が、そう叫んでいる。だが、会場の聴衆、何より同行記者たちの反応を見て、聞き間違いではないと認めずにはいられなかった。

「課長!」

 磯部に怒鳴られて、広報課長が慌てて閉会を宣言した。

 そして、大臣の退場を告げると、会場から大きな拍手が沸き起こった。

 都倉がそれに応えるかのように右手を上げた。

「大臣、退場しますよ。付いてきて下さい」

 都倉の耳元で囁くと、大臣に近づいて来ようとする聴衆を押しのけるように磯部は進んだ。

 SPが素早く都倉の脇を固め、背後に樋口が付いた。

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