永田町でこの夏、与野党を問わず、頻繁に聞かれたのは「足腰を鍛えなければ」という自戒の言葉だ。アテネ・オリンピックに刺激されて、センセイ方が健康に目覚めたのではない。七月の参院選の微妙な結果が、民主党の後塵を拝した自民党にも、大躍進した民主党にも似たような教訓をもたらしていたのである。 参院選の獲得議席は自民四十九に対し民主五十。民主の支援を受け、自民候補を下して当選した秋田、新潟、高知、宮崎、沖縄の無所属議員を加えれば、両党の議席差は六に広がる。「自民対民主」で見れば、明らかに自民の敗北だった。しかし「連立与党対民主」で見ると、公明党の獲得議席十一が物を言い、勝敗は逆転する。「このままでは政権を奪われかねない」と自民は顔色をなくし、民主は「このままでは政権交代実現は難しい」と臍をかむ。与野党第一党いずれにも鞭を入れたのが先の参院選だったのである。剥き出しの「岡田ドクトリン」 反応の速さは民主が勝った。「足腰が弱すぎる」。岡田克也代表は八月十日、都内のホテルで開いた党地方自治体議員フォーラムでの講演で、集まった地方議員を叱咤した。 確かに参院選で民主は躍進した。しかし、得票の多くは政権批判票であり、民主への期待票とは言えても、固い支持票ではない。今の民主の地力では追い風が吹かない限り、自民には勝てない。特に問題なのは地方だ――。

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