漏洩したもう1つのトップシークレット

執筆者:春名幹男2013年6月19日
 6月15日、香港で、元CIA職員スノーデン氏への支援を訴え、米総領事館に向けデモ行進する人々 (C)AFP=時事
6月15日、香港で、元CIA職員スノーデン氏への支援を訴え、米総領事館に向けデモ行進する人々 (C)AFP=時事

 ネット上で個人が交信した通信情報を「プリズム」という対テロ秘密工作でごっそり収集していた米国家安全保障局(NSA)。

 その事実を示す米政府のトップシークレットの情報を米ワシントン・ポスト紙と英ガーディアン紙に渡したのは、米中央情報局(CIA)の元コンピューター技術者エドワード・スノーデン氏(29)だった。

 実はこのニュース、全くのサプライズではなかった。インターネット電話スカイプや通信大手ベライゾンなどがプリズムに協力していることが先に伝えられていた。ただ、スノーデン氏が大量の機密文書を持ち出した結果、プリズム工作の全体像が掴めたことがニュースだったのである。

 だがスノーデン氏は、日本ではほとんど注目されない、「米サイバー作戦政策」と題する、もう1つのトップシークレット文書を漏洩していた。これまで、サイバー攻撃に対する「防御」しか公言していなかったオバマ米政権が実は、「サイバー攻撃」の実戦計画立案に踏み出していたことがこの文書で初めて明らかになったのである。

 この中で、オバマ大統領は、関係省庁や情報機関に対して、サイバー兵器の「攻撃目標」をリストアップするよう指示している。

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