インテリジェンス・ナウ

漏洩したもう1つのトップシークレット

執筆者:春名幹男 2013年6月19日
タグ: CIA 中国 香港 日本
エリア: 北米 アジア
 6月15日、香港で、元CIA職員スノーデン氏への支援を訴え、米総領事館に向けデモ行進する人々 (C)AFP=時事
6月15日、香港で、元CIA職員スノーデン氏への支援を訴え、米総領事館に向けデモ行進する人々 (C)AFP=時事

 ネット上で個人が交信した通信情報を「プリズム」という対テロ秘密工作でごっそり収集していた米国家安全保障局(NSA)。

 その事実を示す米政府のトップシークレットの情報を米ワシントン・ポスト紙と英ガーディアン紙に渡したのは、米中央情報局(CIA)の元コンピューター技術者エドワード・スノーデン氏(29)だった。

 実はこのニュース、全くのサプライズではなかった。インターネット電話スカイプや通信大手ベライゾンなどがプリズムに協力していることが先に伝えられていた。ただ、スノーデン氏が大量の機密文書を持ち出した結果、プリズム工作の全体像が掴めたことがニュースだったのである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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