サウジのムハンマド副皇太子への権力集中がもたらす王族内や国内諸勢力からの反発への不安、その手腕と資質への疑念が、欧米メディアの報道において強調される中で、不安感を煽るような情報発信がサウジの在外反体制派によって行われている。

高齢のサルマーン国王が生前に退位し、甥のムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子を飛び越して、息子のムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子に直接譲位するという説がある。

これを在ワシントンのサウジ反体制勢力が作る団体ガルフ・インスティチュート(Gulf Institute)がホームページに掲載したことで、欧米メディアへも以前よりいっそう取り上げられるようになった。この団体を主催するアリー・アハマド(Ali al-Ahmad)氏の筆になる暴露記事である。なお、アリー・アハマド氏はサウジ東部州を拠点とするシーア派反体制指導者の家系である。サウジでは権力側も反権力側も、指導部が世襲されがちである。

"Exclusive: Saudi King to Abdicate to Son," Gulf Institute, January 13, 2016.

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