スタートした「静かな参院選」に「波乱」はあるのか?
2016年6月24日

6月21日、参院選公示前の党首討論会に臨む自民党総裁の安倍晋三首相(左)と民進党の岡田克也代表 (C)時事
今年後半の政局の最大の山場となる参院選が6月22日に公示された。7月10日の投票日に向けて、各政党、各候補者は全速力で走り出したが、国民の目は意外に冷めているようだ。当初、衆参同日選の可能性が取り沙汰されていたが参院選だけになってしまったことや、東京都の舛添要一知事の辞任による都知事選のほうが注目されてしまったこと、さらには「目玉」と言えるほどの候補者がいないことなども、選挙戦が今一つ盛り上がりに欠けている理由だが、それだけではない。
煮え切らない両党首
政策的には、国民の強い関心事だった消費税率引き上げ問題が争点になっていないことが大きい。予定通りの増税論を掲げている政党がないため論争化しにくいからだ。大きな焦点になるべき憲法改正問題がうやむやになっていることも盛り上がらない一因である。
さらに、政局的な事情も参院選の低調ぶりに絡んでいる。たとえば、与野党の顔である安倍晋三首相と岡田克也・民進党代表の2人は、表向きの威勢の良さとは逆に明らかに気合が足りない。安倍首相が設定した勝敗ラインが「改選過半数」。なんとも志の低い目標だ。さらに、岡田氏にいたっては勝敗ラインすら明言していない。
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