「イスラーム国」のイラクの中心拠点の指導者アブーバクル・アル=バグダーディーのものとみられる音声声明が、11月3日未明にインターネット上で公開された。2014年6月のモースル占拠直後に、ラマダーン月の最初の金曜礼拝に姿を現した映像が世界を駆け巡ったバグダーディーだが、その後はほとんど映像が出てこない。音声声明も稀で、今回のものは昨年5月昨年12月以来の音声の公開である。10月17日に開始されたモースル掃討作戦について刻一刻と情勢が伝えられ、それらはイラク中央政府やクルディスターン自治政府や米国・ロシアなどの宣伝報道と区別がつきにくいことがあるが、「イスラーム国」の側もメディア上での対抗策を強めている。

今回の音声声明でバグダーディーは、包囲下のモースル(古名のニネヴェで呼んでいる)の「イスラーム国」要員に退くなと命じ、侵攻する諸勢力を「ユダヤ人、キリスト教徒、無神論者、シーア派、背教者、不信仰者」とイスラーム法上のジハードの対象としうる存在として規定して、それに対する徹底抗戦を呼びかける。

"God's enemies from the Jews, Christians, atheists, Shiites, apostates and all of the world's infidels have dedicated their media, money, army and munitions to fight Muslims and jihadists in the State of Nineveh after they witnessed it become one of the bases of Islam and one of its minarets under the Caliphate."

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