イラク・モースルに「カリフ」が姿を現す

執筆者:池内恵 2014年7月6日
エリア: 中東

7月4日、イラク北部モースルの大モスクの金曜礼拝に、「カリフ」が姿を現した模様だ。ISISを改め「イスラーム国家(IS)」を名乗ったアブー・バクル・バグダーディーが金曜礼拝の導師を務める様子が、土曜日になって盛んにインターネットに流されるようになった映像に映し出されている。

この映像が事実に基づくものであれば、これまで公の場に姿を見せず、数枚の写真と音声のみしか知られていなかった「イスラーム国家」の指導者が、白昼堂々と、イラク第二の都市の中心のモスクで導師を務めたことになる。イラク内務省はこのビデオの登場人物を「偽物」と主張しているが、真偽は定かではない。

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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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