暴走も懸念される黒幕だが……(C)AFP=時事

 

 トランプ大統領の首席戦略官として、異例なほどの権力を握りだしたスティーブ・バノンの世界観をさらに考える。

『ハリウッド・リポーター』でのベテラン・ジャーナリスト、マイケル・ウルフとのインタビューで、注目される発言には次のようなものもある。「自分は白人民族主義者(white nationalist)ではない。ナショナリストだ。経済ナショナリストだ」「グローバリストはアメリカの労働者階級を破綻させ、アジアに中産階級をつくりあげた。これから肝腎なのはアメリカ人がまんまとやられたということがないようにすることだ。それが実現できれば、白人票を60%だけでなく、黒人票もヒスパニック票も40%とって、政権は50年続く」「(アンドリュー・)ジャクソン(第7代大統領)のポピュリズムみたいに、まったくあたらしい政治運動をつくる。すべては雇用のためだ」

「雇用」を政策の核に据えて、労働者を動員しトランプ政権2期目を狙うと同時に、さらに長期的な共和党政権続行を目指している様子がうかがえる。その共和党自体は、反グローバリズムなど「経済ポピュリズム」に彩られた政党へ変貌する可能性がある。

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