大統領を背後から操り、米国をどこに向かわせようとしているのか――(C)AFP=時事

 

「オルタナ右翼(Alt-Right)」の論壇となったニュースサイト『ブライトバート・ニュース』は、トランプ政権の「黒幕」スティーブ・バノンが2007年の創設時から関わり、2012年から経営者となった。バノンと「オルタナ右翼」が結びつけられて語られるゆえんだ。だが、両者の結びつきは単純ではない。また、「オルタナ右翼」=「白人至上主義」ないし「白人民族主義」と一本線でつなぐのも、考えものだ。そこには複雑な経路がある。連載の(4)ではそのことを考えた。定義の難しい「オルタナ右翼」の内部の多様性についても、ブライトバートの編集幹部である若手論客ミロ・イァノプロスらの「主流派保守のためのオルタナ右翼ガイド」を手掛かりに探ってみた。【「トランプの黒幕『バノン』の世界観(4)『オルタナ右翼』の淵源と多様性」2017年2月17日

 

「1488族」

「オルタナ右翼ガイド」が「本来的保守主義者(natural conservatives)」に継ぐ第2の勢力として挙げている「ミーム・チーム」には、日本のサブカルの影響があることに触れた。ミームとはインターネット上で爆発的に広がる映像や文章・言葉などを指して言う。ミーム・チームのプラットフォームとして重要な役割を果たしているのが『4ちゃんねる(4chan)』、あるいは『8ちゃんねる(8chan)』であり、日本の掲示板サイト『2ちゃんねる』を模している。【An Establishment Conservative’s Guide to The Alt-Right, Breitbart News, Mar. 29, 2016

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