国際論壇レビュー

トランプの黒幕「バノン」の世界観(4)「オルタナ右翼」の淵源と多様性

執筆者:会田弘継 2017年2月17日
エリア: 北米
「白人至上主義者」でも「人種差別主義者」でもなく「ナショナリスト」だと主張するが……(C)AFP=時事

 

 トランプ政権の「黒幕」スティーブ・バノンは「オルタナ右翼(Alt-Right, alternative right)」だと言われている。本人は、昨夏トランプ選対トップに就任するまで経営していたオンライン・ニュースサイト『ブライトバート・ニュース』を「オルタナ保守のための論壇(platform)」と評したことがある。オルタナ保守は「人種差別主義者(racist)」「白人至上主義者(white supremacist)」だと言われる。そこまで厳しい表現をとらずとも、「白人民族主義者(white nationalist)」だと批判される。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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