国際論壇レビュー

トランプの黒幕「バノン」の世界観(3)「匿名論客」の正体が明らかに

執筆者:会田弘継 2017年2月14日
エリア: 北米
選挙戦では共和党として女性初の選対本部長を務め、大統領顧問に就任したケリーアン・コンウェイ氏にも指示を出すバノン氏(C)AFP=時事

 

 トランプ大統領の就任式と相前後して、政治と思想の交叉という観点から興味深い出来事が2つあった。ともにトランプ政権の「黒幕」である首席戦略官スティーブ・バノンの世界観につながる出来事である。

 まず、「トランプ主義(Trumpism)」を思想的に支援すると宣言する新しい論壇誌が2月に発足することが明らかになった。『アメリカン・アフェアーズ』だ。まだ30歳のハーバード大出の若手保守派論客ジュリウス・クレインが創刊する。トランプ支持運動に「知的基盤」を与えるためだという。【Meet the Harvard whiz kid who wants to explain Trumpism, Politico, Jan. 3

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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