Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (126)

日本について「戦争同盟」「武器輸出」などと連日批判も石破政権・参院選には言及なし(2025年7月20日~7月26日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年7月28日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
水田ナマズの養殖現場を視察する金正恩国務委員長[2025年7月24日、北朝鮮・黄海南道](C)AFP=時事
朝鮮戦争休戦72年となる7月27日を前に、『労働新聞』では対米非難に加えて日本に関する批判的な記事が連日掲載された。ただし石破総理を名指しすることはなく、参院選の結果についても全く反応していない。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 7月26日付第1面は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が水田ナマズの養殖現場を視察したことについて報じた。「専門のナマズ養殖場でもない単位で、わずか数人の従業員と家族が養殖を始めて3年という短期間で、水田養魚に関する科学研究と生産を結合させて経済的効率と科学技術的保証を実証したことについて高く評価した」という。

 第2面は、27日の「祖国解放戦争勝利記念日」(休戦協定締結日)を前に、金正恩が黄海(ファンヘ)南道の信川(シンチョン)階級教育館を視察したことについて報じた。朝鮮戦争時、米軍による虐殺事件があったとされる場所である。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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