中東諸国からの米国・英国への直行便への電子機器手荷物持ち込み禁止の措置で影響を受ける中東諸国の航空会社各社が、トランプ政権の姿勢を揶揄するような広告をSNSを中心に様々に展開し、逆境を逆手にとってマーケティング・話題作りに利用していると、アル=ジャジーラ(英語版)がまとめている

エミレーツ航空(UAE・ドバイ)やカタール航空、ヨルダン航空などのツイートや動画は私のところにも回って来ていたが、中でもヨルダン航空のものは皮肉が利いている

アル=ジャジーラの記事の末尾のグラフが印象的である。

2002年から2016年までの、中東から米国への直行便の便数をグラフにしたものだが、まさに10倍増である。

増加の大部分は、UAE(アブダビのエティハドとドバイのエミレーツ)と、カタール航空の、「湾岸3社」とも呼びうる、近年にグローバル展開が著しいペルシア湾岸アラブ産油国の航空会社と、同様に野心的に拡張しているトルコ航空である。

中東と米国を結ぶ路線にこれだけの需要があり、拡大の余地があったにもかかわらず、米国の航空会社はただの一社も、これらの一国にも直行便を持っていない(であるがゆえに電子機器持ち込み禁止の影響を受けない)というのは、米系航空会社の経営の行き詰まりを示すのだろう。しかし米系航空会社はマーケティングやサービス向上で盛り返そうとするのではなく、湾岸3社が政府の補助金で不正競争をしていると非難して政府の介入を求めて来た。

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