6月5日にサウジとUAEがバハレーンやエジプトと共に行った対カタール断交に関して、発端となる、5月23日にカタールのタミーム首長が軍事教練過程の卒業生へに向けて行った発言とされ、カタール国営通信(QNA)から発信されたテキストが、ロシアのハッキングによる偽ニュースだったのではないか、と6月7日にCNNが報じ、新たな展開となっている。

"CNN Exclusive: US suspects Russian hackers planted fake news behind Qatar crisis," CNN, June 7, 2017.

真偽のほどはわからない。首長発言がサウジやアラブ首長国連邦によって問題化されて以来、カタール自身がハッキング説を主張しており、FBIに「お墨付き」をもらった形だ。ロシアはもちろん全否定している。

CNN報道では、FBI当局がハッキングの疑いでカタールで捜査していることや、米国の諜報機関からロシアによるハッキングを示す情報が寄せられていることを記しているが、この情報だけでは具体性は低い。

タミーム首長発言が偽ニュースであってくれれば助かるのは、追い詰められたカタールと共に、米軍である。カタールのウデイド空軍基地は米軍にとって湾岸地域の橋頭堡である。

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