いよいよ都議選がスタート。4月の決起大会では気勢を上げていたが……(C)時事

 

 個別の地方選挙結果が国政に直接、影響を与えることはそれほど多くない。地方には地方の事情があり、独特の地縁、血縁もあり、国政とは背景が異なるからだ。だが、過去の例を振り返ると、東京都議選は国政に直結しているという点で、他の地方選挙とは別格だということが分かる。

「93年日本新党」「09年民主党」の大躍進

 参院議員や熊本県知事を務めた細川護熙氏が1992年に結党した日本新党は初挑戦した1993年6月27日の東京都議会議員選挙で、擁立した候補者22人のうち20人、推薦も含めると27人の当選者を出し、いきなり都議会第3党となった。

「この風をしっかり受けて衆院選への先駆けにしたい」

 投開票日夜の記者会見で、こんな意気込みを語っていた細川氏だが、実際この3週間後の7月18日投開票の衆院選で日本新党は新参者の政党としては大量の35人を当選させた。この選挙結果を受けた国会の首班指名で、ついに自民党は1955年の結党後初めて下野を余儀なくされ、非自民非共産の細川連立政権が誕生する。

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