シリア南西部での停戦に関して、7月7日に米・露・ヨルダンの合意が発表され、9日に発効したが、この次の展開として注目されるのが、合意の実質的な当事者と目されているイスラエルの動きである。合意はシリアの南西部の3県を対象とするが、ここにはデラア県とスワイダー県に加え、イスラエルが多くの部分を占領するゴラン高原を含むクネイトラ県が含まれている。

ここでサウジ資本の『シャルクル・アウサト』誌のウェブサイトが、興味深い記事を英語で配信している。真偽は検証しようがないが、興味深い。

"Israel to Establish ‘South Syria Army’ to Stop Iranian Expansion," Asharq al-Awsat, July 10, 2017.

この記事によれば、イスラエルは米・露・ヨルダンによる合意を受けて、シリア南部のゴラン高原とヨルダンに接する地域にシリア人部隊を養成し、イランの勢力の侵食を防ぐいわば緩衝勢力としようとしている、という。

親イスラエルのシリア人部隊はいわば「南シリア軍」であると記事は言う。かつてイスラエルが、1970年代末から2000年にかけて、レバノン南部で「南レバノン軍」を支援して、イランに支援されたヒズブッラーに対する盾とした先例にちなんだ呼称である。

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