トランプ大統領と、その長男のトランプ・ジュニア氏(左)(C)AFP=時事

 

 昨年の米大統領選挙でトランプ大統領に敗れた民主党陣営。実はそのA級戦犯は、オバマ前大統領だったと言える。

 オバマ前大統領は昨年、インテリジェンスのカスタマー(顧客)として、米中央情報局(CIA)から主権侵害、つまりロシアによる米大統領選挙への介入という、米民主主義の根幹にかかわる重大な情報を受け取っていた。だが、彼は適切な行動を起こさず、みすみす世界秩序を揺るがすほどの結末を招いてしまったのである。

 このほど表面化した、トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏とロシア側代理人の弁護士との会合に関する情報。この情報も、米国家安全保障局(NSA)が昨年の段階で入手していたのは確実である。そして、その人脈をたどると、2013年のミスユニバース・モスクワ大会につながる。

 この大会でトランプ氏が知り合ったロシア人脈が、「ロシアゲート」事件の捜査で今回、改めて急浮上した。

 既に昨年から、こうした人脈を明記したある報告書が、情報機関関係者の間で注目を集めていた。当然オバマ氏にも報告され、今年1月6日には、その抜粋が当時のジェームズ・クラッパー国家情報長官やジェームズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官らからトランプ次期大統領に手渡されていた。(2017年1月30日「米『6情報機関』が『防諜』で大捜査中:ロシアの米大統領選介入問題」参照)

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