安倍首相は、トランプ大統領の「マッドマン・セオリー」に乗り続けるのか(写真は9月の日米首脳会談) (C)AFP=時事

 

 朝鮮半島は一触即発の危険な時期が近づいているかに見える。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」とからかい、国連総会演説で北朝鮮の「全面的破壊」に言及し、ツイッターで「機能するのはただ1つ」と軍事力行使を示唆して意図的に脅威を高めるトランプ米大統領。これに対して、委員長声明で「わが国の絶滅をわめいた米統帥権者の妄言に対する代価を必ず支払わせる。米国の老いぼれを必ず火で制御する」と反撃する北朝鮮。

 こうした米朝双方の脅しの戦略は、1969年に当時のニクソン大統領が始めたもので「狂気の戦略(madman theory)」と呼ばれている。敵性国家に対して、最高司令官の大統領が「狂って何をするか分からない」と思わせ、屈服させようとする戦略だ。

 トランプ大統領がこの戦略をとり始めたことに対して、デービッド・ペトレアス元米中央情報局(CIA)長官らが「破滅をもたらす恐れがある」と厳しく批判している。

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