12月6日の米トランプ大統領の演説の内容は、事前に公開しておいた「中東―危機の震源を読む(94) トランプがエルサレムを首都承認した後に何が起こるか」で書いておいた通りであったため、それほど付け加えることはないが、「中東通信」欄で、あらためて演説の本文内容・構成要素を検討しておこう。

まず、この日にトランプがエルサレム首都承認に関して行なった表明には2つのテキストがある。1つはホワイトハウスのウェブサイトに公開された「宣言文(proclamation)」である。これが米大統領の意思表明の正式文書と言えるが、実際の演説ではトランプはこの宣言文の内容と構成をほぼなぞりながら、随所に私見を交えて脱線している。それが各紙が公開している「演説の文字起こし(transcript)」に記録されている。

演説や関連報道のビデオを添え、関連記事にもリンクを貼っている、最も充実したニューヨーク・タイムズ紙の記事を挙げておこう。

"Full Video and Transcript: Trump’s Speech Recognizing Jerusalem as the Capital of Israel," The New York Times, December 6, 2017.

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