中東の部屋に掲載した論考「対中東政策が日本外交の『6本目』の柱に」へのさらなる補足。

余談として、日本では「リベラル派」から「ヒトラー」とまで罵られることのある安倍晋三首相が、リベラル国際秩序を理論化した著名な国際政治学者でプリンストン大学教授のジョン・アイケンベリーの論考では、リベラル国際秩序を支える残された最後の指導者の代表例として言及される点に触れたが、アイケンベリーの論考の該当箇所は次の部分である。米の著名な国際政治誌に掲載された著名な論客による論考なので、すでに読んだ人も多いかもしれないが、ここで具体的に言及しておきたい。

アイケンベリーはフォーリン・アフェアーズ誌の2017年5−6月掲載の論考"The Plot Against American Foreign Policy: Can the Liberal Order Survive?" (Foreign Affairs, May/June 2017)で、リベラル国際秩序の揺らぎを論じた上で、各国の指導者がこの秩序を支えるために前に踏み出さなければならないと論じ(If the liberal international order is to survive, leaders and constituencies around the world that still support it will need to step up.)、そこで大きな役割を期待される2人の指導者として安倍首相とメルケル首相を挙げる。

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